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日本美術の冒険者 チャールズ・ラング・フリーアの生涯

中野明/著
著作者
中野明/著
メーカー名/出版社名
日経BP日本経済新聞出版本部
出版年月
2021年6月
ISBNコード
978-4-532-17705-8
(4-532-17705-7)
頁数・縦
335,34P 図版48P 20cm
分類
教養/ノンフィクション /人物評伝
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価格¥3,500

出版社の商品紹介

出版社からのコメント

広島に原爆を投下したエノラ・ゲイの展示で知られる米国ワシントンDCのスミソニアン博物館群の中に、1923年、米国初の国立美術館として開館したフリーア美術館がある。収蔵作品の目玉は、約2000点の日本美術では、葛飾北斎をはじめとする肉筆浮世絵コレクションと俵屋宗達、尾形光琳を中心とした琳派コレクション。しかし所蔵品は寄贈者の遺言により「アメリカ国民にアジアの文化を紹介して正しい理解を促す」ことを目的に広く公衆に開放するが、外部への貸し出しを禁じ、現在も門外不出。日本人には知る人ぞ知る美術館である。海外に流出した日本美術の収蔵館として広く知られるのは、フェノロサと岡倉天心が深く関わったボストン美術館だろう。同時代に独自の審美眼で蒐集したたったひとりの寄贈者のコレクションであるところがフリーア美術館の特徴だ。本書はフリーア美術館公認の、コレクションの寄贈者、チャールズ・ラング・フリーアの初の日本での評伝である。南北戦争後の「金ピカ時代」、空前の鉄道建設ブームに乗り巨万の富を築き、世界漫遊旅行に出て日本を訪れ、その後、日本美術の蒐集に没頭する。蒐集期間は日清・日露戦争から第一次世界大戦の間という、日本が列強の仲間入りをした頃。もちろん美を集めるには金が要る。本書の読みどころのひとつは残された記録によって、どれほどの金がどのように動いたかが生々しく記されているところである。明治に日本美術を救ったといわれるフェノロサが商売人として才覚を発揮しているところも興味深い。日本人の蒐集家とでは財界人として益田孝と横浜・本牧の三渓園で知られる原富太郎との行き来も克明に記録に残されている。彼らの蒐集品は没後散逸したものも多い。貴重な日本美術コレクションが海の向こうでそのまま1世紀生き残った記録として読み応えのある書だ。

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